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まんまるこども園ブログ

2025.04.30

第Ⅱ期 自然体験リーダー養成研修➀

当法人では、昨年度から、保育の柱の一つである自然体験への専門性を深めようと、職員研修を行っています。今年度はそのⅡ期目。講師の先生は昨年度に引き続き岡山県環境保全事業団の山田哲弘先生(てっちゃん先生)です。山田先生は、馬屋下まんまるこども園の開園に先駆けた保護者・地域の方への記念講演もしていただいた保護者の方にもゆかりの深い先生です。

今年度、第1回目の会場は馬屋下まんまるこども園で、20名を超える職員が参加しました。てっちゃん先生からまずはこの研修のねらいと自然環境問題の解決に向けての基礎知識を教えていただきました。

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それでは早速、馬屋下学区の自然散策スタート。目的地は今後『馬屋下プロジェクト』を行う予定である中川の河川敷です。この日は気持ちの良い晴天でしたが暑すぎず、涼しい風も感じられる春の陽気で、とてもありがたかったです。

道すがらにはたくさんの種類の野の草が…レンゲにタンポポ、茎をかじると酸っぱい味がするスイバ、カラスノエンドウにスズメノエンドウ、じっくり見ていくと片道30分以上かかってしまいそうなので…第Ⅰ期で学んだ植物はさらっと見て行き、今回初めて見つけたのが、小さな穂がクリスマスツリーの形のように開いたイネ科の植物。「何かに似てません?」とてっちゃん先生から問われた職員。実は、数の子に似ているのでカズノコグサというそうです。名付け親は朝ドラで話題となった牧野富太郎さんだそうですよ。その見た目と名前のマッチ具合から職員もすぐに名前を覚えることができました。他にもアメリカフウロの葉っぱの美しい色・模様も発見して感動しましたよ。

春は鳥が恋する季節♡たくさんのさえずりが聞こえます。ヒバリは高いところでホバリングしながらさえずり、垂直に地面に降りてくるのが特徴です。セキレイの種は日本でよく見られるのが3種(ハクセキレイ、セグロセキレイ、キセキレイ)ですが、見分け方を知ると名前を伝えることができるようになります。キセキレイはお腹が黄色。ハクセキレイは目の下が白く、セグロセキレイは逆に目の上だけ白く、顔全体は黒い毛で覆われています。

ということで…今回発見したのはセグロセキレイでした!先生によるとハクセキレイは都市化に成功した鳥で市中心部で見られるものはハクセキレイが多いとのことでした。

目的地に到着。ここからはご近所に住むお子さんとその保護者の方も親子で参加されました。まず、先生からワンダーパワー(五感+心)を使って自然を散策すること、危険な生き物(マムシ、ヘビ、ハチ、マダニ、ケムシなど)に気を付けることを教えていただきました。その後、『春の草花ランチプレート』作りをしましょう!と職員一人一人に紙皿を配っていただきました。職員は思い思いにじっくり草花を観察しながら気に入ったものを手に取り、素敵に飾っていきました。

てっちゃん先生は防水着を着用し、アミを持って川の中へ。生き物がいそうな川岸の草の根元や魚が泳いでいるところをねらってアミを入れて捕まえてくださいました。

中川の中には、ドンコ(ハゼの仲間)やドジョウ、ヤゴ(サナエトンボやイトトンボ)、そしてお腹が白いヌマガエルもいました。透明なケースに入れていただき、職員もじっくりと観察。ドンコの胸びれは吸盤のようになっていて、くっつくことができるなど教えていただいたところに注目して観察すると「ほんとだ~」とどの職員も目を丸くして感動していました。また、ドジョウをつかめるかやってみると、するりと逃げていくのが上手いことが体験を通してわかりました。なかなか魚などの水中の生き物のお腹側を見ることや触ることはないのでとても貴重な機会をいただきました。日向の石の上ではアカミミガメが日光浴をしている姿も見られました。中川の中にどんな生き物がいるかを知ることもでき、今後子ども達に伝えることができるので、とてもありがたい機会になりました。

春の草花プレートも完成!職員同士で見せ合い、工夫したところを伝え合ったり、皆で持ち寄りパーティーのように見立てたりしました。春の草花は色も形も多様で美しいですね。

集めた草花の中に「オドリコソウ」という花があります。山の近くに自生している花で、花弁の裏側に花粉を持ち、ハチが蜜を吸う時に背中に花粉をつけて運んでもらえるようになっていたり、種にはエライオソームというアリを惹きつける部分があり、巣まで運んでもらい芽を出せるようになっていたりします。植物の生長戦略にはいろいろあるんだな~とてっちゃん先生のお話を聞いていたその時…「てっちゃん先生、アリが種を運んでいます!」と、ある職員が自分のお皿の上で発見!先生に見ていただくとおそらくヒメオドリコソウの種を運んでいるとのこと。エライオソームのお話をしているまさにその時に、こんな現象に出会えるなんて!まさに奇跡的でしたし、アリが種を運ぶ時の持ち方も観察でき、学びが深まりました。

馬屋下まんまるこども園の周りには山があり、御南とはまた違った植物やそれに伴って生き物が見られます。今回の研修ではそれぞれの地域ならではの豊かな自然があり、それらをとおして子どもも大人もセンス・オブ・ワンダーを育むことができると改めて感じることができました。また、それぞれ危険な生き物や植物もあるので、しっかりと下見や調査を行い、安全に自然体験を行うことができるようにすることの大切さを教えていただきました。楽しい自然体験があってこそ自然への親しみや愛情が生まれ、それが豊かな地球を守る意識につながるのだと思います。山田先生、本当にありがとうございました。次回以降もどうぞよろしくお願いします。

入園ご案内

募集要項および提出資料(入園願/お子さんの健康・発育について)は
下記からPDFダウンロードいただきます。
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